沖縄も、秋から、いよいよ冬へ~
- meguroterumi
- 10月28日
- 読了時間: 3分
こんにちは、あるいはこんばんは。
10月も後半に入り、だいぶ涼しくなってきましたね。とは言っても、つい数日前までは30度を超える日が続いていたのですが、この原稿を書いているのは10月の21日。ちょうど新月にあたるため、旧暦では9月1日になります。中秋が終わり、いよいよ晩秋へ。暦の上ではまもなく立冬になります。
とはいっても、沖縄ではまだまだ夏の余韻をたくさん見かけます。一般的に本土ではおそらくセミと言えば夏をイメージする方がたくさんいると思いますが、沖縄では少々違います。春から初夏に鳴く蝉と、真夏に鳴くセミ、そして秋から冬の初めまで鳴き続ける蝉がいて、4月末から12月初めごろまで鳴き声を楽しむことができます。
今回は、秋から初頭にかけて沖縄で鳴いている蝉たちをご紹介します。
私どもの施設がある国頭村は、沖縄本島の最北端に位置しており、村内の95%が森林で占められている生き物たちの楽園です。その中でも、セミを始めとした昆虫の種類はとても多く、ごく一般的なものから、国の天然記念物に指定されているものまで、様々な種を見ることができます。注意深く林道や山道を歩けば、必ず何かの虫に出会える素敵な場所です。
今1番多い蝉は、クロイワツクツクとオオシマゼミの2種がいます。順に紹介していきますね。
<クロイワツクツク>
見た目は本土でよく見かけるつくつくぼうしとそっくりですが、鳴き声は全く別物で、ベースはぜんまいじかけのブリキのおもちゃのようなギ…という音で、その間にアヒルかカエルのようなグェッグェッという音が入ります。初めて聞くと、2種類の蝉もしくはセミとカエルが鳴いているようなかなり滑稽な声に聞こえます。島ごとにアクセントがあり、沖縄本島のものは1回目のグェッの後にアクセントがあります。ギ…も一度止めて、2回目にグェッと続き、それを永遠に繰り返す。単調ともいえますが南国の異国情緒があって、のどかともいえる鳴き声です。唐突に鳴き始めて唐突に鳴き止むので、一瞬音が出る人工の何かと勘違いしてしまいそうな感じがします。大きさは本土のつくつくぼうしよりもだいぶ大きく羽根の先までの長さが4センチ前後あります。夜は光に飛んでくるため、窓際などで飛んできてぶつかっている姿を見かけます。

<オオシマゼミ>
オオシマとは奄美大島のことで、奄美諸島から沖縄県の中部(沖縄市周辺?)までのエリアに生息しており、日本固有種となっています。つくつくぼうしの仲間で、姿も緑色や水色基調でとてもきれいな蝉です。特筆すべきはその鳴き声で遠くで聞くと、カンカンカン…と鐘や小鳥のような上品な音色に聞こえます。ただし、国頭村では前述のように95%が山林のため、10月から11月のこの蝉の数はとても多く、山自体が甲高い声に包まれて、もはや1匹1匹の鳴き声を判別するのが難しいほどの数になっています。涼しくなると朝から夕方までまんべんなく鳴くのですが、真夏の暑い時期にも少数が発生しています。真夏は夕方がメインで、季節が進むごとにどんどん鳴き出しが速くなり、数も増えていく。そんな素敵な蝉です。また、12月を過ぎても残っているのは、この種類がほとんどで前述のクロイワツクツクは寒いのが多少苦手らしく、一足先に姿を消します。私が3年間住んでいてこのオオシマゼミがいわゆる「夜鳴き」をし始めたら秋だなぁと感じます。

季節が変わると鳴く虫の種類も変わってくるのですが、それはまた次回お話ししようと思います。次回はもっと面白い話をするので、楽しみにしていてください。
(塚崎良)


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